【ピアノと姿勢の大切な関係性、というお話】

よもやま
当院Facebookページにも、ちょこちょこ投稿しています。
ぜひチェックを!

こんにちは、溝田接骨院・院長です。

今日は、いつもと少し違った内容です。
「考えてみました」という考察系のお話になります。
ピアノを弾いていて「疲れる~」という方は、ご参考になるかもしれません。

ピアノという楽器の音の出し方

その昔、自分は大学の時に「キーボード(シンセサイザー)」を弾いていました。
キーボードはいわゆる電子楽器と呼ばれるもの。
鍵盤はあれど形だけで、言ってみれば単なる「スイッチ」です。

かたやピアノ
ピアノは鍵盤が直接「弦」を叩いて音を出しています。
つまり、押し方で「音」が変わります。

このピアノの「音」というものはキーボードと違って、弾いた人の「動き」がストレートに現れます
つまり、きちんと動けないと、きちんとした音も出ないということです。
また、きちんと動けていない身体での演奏は、疲労も起こします

その土台にあるのが「姿勢」です。
今日は、この姿勢という視点から「ピアノを弾く」を考えてみたいと思います。

初心者的姿勢

初心者の演奏でよく見られる姿勢に多いのが「猫背」

これは楽譜をじっと見込んでしまったり、指に力が入るため「肩」にも力が入ります
すると猫背姿勢になってしまいます。

だいたいこんな感じ。

背骨である「腰椎」から曲げてしまい、背中(胸椎あたり)が極端に後ろへ飛び出るような恰好になります。
同時に頭が前に伸びる形に。
必然的に背骨全体が前に曲がるように弯曲し、背面が緊張しています。

その状態で腕を前に伸ばして演奏すると、どうしても背中から腰・肩に力が入るため疲れてしまうのです。
また肩・肘に力が入っていて動かしにくいため、指だけで弾こうとしてしまいます。
でも!筋肉が緊張していますので、手首や指のしなりが作りにくく、うまく指が動きません

おそらく「肩に力が入ってますよ!」と言われたことがある人もいるかもしれませんね。
(これはピアノに限らず、ですが)
一生懸命弾こうとするので、この「腰・背中が曲がった状態」で弾き続けがち
そりゃ初心者の運指はぎこちなくなるし、疲れますよね。

巧者的姿勢

ではある程度弾ける人はどうなんでしょう?

ピアノを教わると「座り姿勢」の指導もあると思いますが、おそらく「背中はまっすぐ」だと思います(のはず)。
そこから肘を曲げ、指を鍵盤に置く…といった形です。

だいたいこんな感じ。

こどものピアノの発表会…みたいなものを想像していただくといいかもしれません。
椅子に対して、スッと垂直の背筋で座って演奏を始めます。

ただ、ずっと背筋を真っ直ぐで演奏できるか?といったら、無理です
また弾いているうちにノッてきて、エモーショナルに演奏する!となると、だんだん頭が下がっていく場面もあります。

同じように「前に曲がっている」ように見える、初心者と弾ける人の違いはどこなんでしょう?
どうしたら、疲労しにくい・演奏しやすい状態でいられるのでしょう?

違いは「股関節」です!

先ほど書いたように、初心者など演奏で肩や腰が疲れる人は、「腰椎」から曲げていることが多いのです。
しかし上手い人のパターンでは、股関節から曲げることが多いのです。

もちろん腰(腰椎)から曲げる場合もありますが、あくまで「動きの中の一瞬」ということが多いです。
しかも腰椎を初めとする背骨を曲げる時は「しなり」を利用していることが多い。
逆に普通に座っている時は、真っ直ぐ座って弾いています。

このように前かがみになる時は、疲れがちの人に比べると「股関節」から曲げているので、腰椎を含む脊柱は正しい「まっすぐさ」をもって曲がっているんですね。

だいたいこんな感じ。

このまっすぐな背中の状態は、肩甲骨周りを緊張させることがあまりないので、そこから伸びる腕や肘・指まで動きやすいのです。
当然ながら無駄な力が入りにくいので、疲れなどが出にくいと考えられます。

実際に見てみよう

ここで、あるプロのピアニストの演奏で見てみましょう。

この辺りの動きは、クラシックよりもジャズピアニストなどの方がよく分かります。
ですので、ジャズピアニストを例にしましょう。
緑は身体(体幹)の軸黄色は背中(背骨)の形状を表しています。

<1>

これは演奏初期です。

股関節は90度以上の角度(鈍角)でいますので、腰や背中の緊張はあまりないと思われます。
背骨もなだらかなカーブを描き、猫背のような「凸」ではありません。

<2>

ここも股関節の角度を保ったまま(90度)で前傾し、背骨もなだらかカーブです。

<3>

おっと!ここで曲がっています!
しかし、よーく見ると「背中」で曲げているのではなく、股関節を曲げて前傾しているのが分かりますでしょうか?
緑線に注目)
つまり、背筋の軸を保ったまま曲げているということです。

<4>

ここも比較的90度を保って、全体で前傾していますね。
しかもちょっと分かりにくいのですが、じつは身体を左に捻じっています
この捻じりは、身体の軸がまっすぐでないと出来ないのです。

実際に、少し背中を丸めて身体を捻ってみてください。
曲がりにくいですよね?

<5>

ここも股関節角度を90度に保ち、軸(緑線)と平行な形で背筋が伸びていますね。
この前傾は、膝を使ってお尻を持ち上げることで作られています。

<6>

典型的ないい姿勢に近いですね。
股関節はやや鈍角(90度以上)なので、比較的リラックスしていると思います。
背中もスラッとした形です。

こうやって見てみると、同じ前傾姿勢であっても、背骨(胸椎・腰椎)で曲げているのではなく、股関節(や膝関節など)を使って曲げているのがお分かりかと思います。

また加工しているので見難いのですが、すべての場面において「骨盤と背骨がセットで動いている」状態で演奏されています。
要するに「腰(腰椎)から曲げているのではない」ということなんですね。

身体の「軸」がしっかりと取れることで安定しているからこそ、プロは微妙な音のコントロールが出来たり、長時間演奏しても(さらには激しく動いても)弾き続けられるんだと思います。

またしっかりした軸を取るためには、しなやかな背骨が前提です。
つまり、股関節を使っての「しなり」を利用して弾いているってことなんです。

逆に背中が曲がったりして「正しくない軸」でいれば緊張しますから、音のコントロールも難しかったり、指も動きにくくて疲れるのです。

ちなみに、イスが低すぎても「いかり肩」になってしまうため、やはり肩~肘が緊張し弾きにくくなりますね。

まとめ

今日は、ちょっと「考察してみた」という感じで記事を書いてみました。

そもそもは患者さまとの話の中で、なんでピアノを弾いていると肩が疲れるのか?というところから始まったんですけどね。
たまたま自分がちょっとだけ鍵盤楽器を触ったことがあったため、経験を元にご説明させていただいたのですが、こうやって考察するのが好きなのでちょっとまとめてみました。

もしピアノを弾いてらっしゃる方で、疲れやすかったり、運指が上手くいかない、音が安定しない…といったことを感じているようでしたら、この「背筋」を考えてみてください。
そして「股関節」を意識してみましょう。

これだけですべてOK!とはいきませんが、少なくとも「よりよく弾ける」ことに繋がると思います。

ピアノ演奏は指先で弾くのではなく、全身で弾きましょう(←弾けない癖に…)

「でもどうやって背筋をまっすぐ維持させればいいの?股関節を使えばいいの?」と思った方!
ぜひご相談ください。
ちょっとだけ楽器を触った(笑)ことのあるワタクシが、サポートさせていただきます!

それでは!

コロナ対応として

「予約優先制」ではありますが、可能な限りご来院の際は予めご予約を賜りますよう、宜しくお願い致します
★ご来院の際は、可能な限りマスクの着用をお願いいたします
★急患などはこの限りではございません
★ご予約は、お電話(042-725-2948LINE公式アカウントより承っております
★当院では新型コロナ感染対策として
 ・手指や各所の消毒
 ・換気
 ・必要に応じてフェイスシールド
 ・体温測定
 ・可能な限りのソーシャルディスタンスの維持
 ・患者さまの「重なり」を極力避ける 等々
といった対応をさせていただいております。
今後も必要なことがあれば、都度可能な限り対処してまいります。

ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします

↓ LINE公式アカウント
 こちらからご登録できます!

友だち追加

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
   溝 田 接 骨 院
   院 長 溝 田 博 之
~お問い合わせはコチラから~
 電話/FAX 042-725-2948
   LINE / Facebook
  LINE ID @663xugdq
 お問合せ ここをクリック

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼