【よくある質問シリーズ「低周波治療器って、効きますか?」】

よもやま
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こんにちは、溝田接骨院・院長です。
いつもご覧いただき、ありがとうございます。

なんと続いてしまいました、よくある質問シリーズ 第2弾

「ウチに低周波治療器があるんですけど、あれは(この痛みに)効きますか?」

そこそこのお値段で買える、低周波治療器
貼ってスイッチ入れればいい、というお手軽さ。
きちんと刺激も感じますしね。
そんな低周波治療器ですが、そもそもどんなものなんでしょう?

低周波とは?

周波数には、ざっくり「低」「中」「高」周波と分類されています。

その中でも1000Hz以下の出力のものが「低周波」と呼ばれます。
Hz(ヘルツ)と言われると「?」ってなりますが、簡単に言うと1分間で何回「波」を生じさせるか?ってことです。
(中周波は1000Hz~10000Hz、高周波はそれ以上、ってことになります)

皮膚は身体を守る「防御壁」という働きがあります。
要するに、皮膚は外からの刺激などに対して「抵抗」します

この皮膚の抵抗は、低周波に対しては、めっちゃ「カベ」としてドーン!と立ちはだかります

(逆に周波数が上がれば上がるほど、皮膚の抵抗は下がり、その刺激を身体の中へと通します)

ですので、低周波は身体の奥まで刺激が浸透しないんです。

こんな勘違い

通常、電極は痛いところや、そこを挟むようにセットされます。
そして、下図のように電気が流れている…と思われがちです。


(両脇の黒が電極、赤い楕円が筋肉、電気の流れが黄色を示しています)

だから筋肉の硬さ(コリ)とか損傷に刺激や効果が伝わる、と。
こんな風に思っていた方も多いかもしれませんね。

実は、電気はこう流れています

ところが、皮膚は低周波に抵抗しますので、実際には下の図のように流れているんです。

なんと、電極間を最短距離で流れず、通れる「表面」を流れるので、遠回りしてるんです。

日本からアメリカに行くのに、地球の中(マントル)を直行するのではなく、表面を辿っていくようなものです。

よく言われるのは、低周波は皮膚表面から2~3mmまでの深さしか通らない、ということ。
つまり奥まで入らず、表面でウロウロしているようなもの。

表面で抵抗を受けるから、ビリビリを強く感じます。
(周波数が高いと皮膚抵抗を通過しますので、逆にビリビリを感じにくいです)

だから電圧を上げると表面的にビリビリ痛みだけがアップしてしまいます。
だから、上げ過ぎると痛いのです。
あくまでも「心地よい程度」にしましょう。

よく通販番組とかでも、「電極つけて筋肉ピクピク」っていうの、見たことありませんか?
あれ、抵抗の掛かっている表面部分が動いてるから、あのように見えるってことなんですね。
高周波で掛けると皮膚を通過して奥まで届くため、深層の筋肉が動きます。
(大きな動きではないですけどね)

使い方

ということで。
表面に通電しているんだな、と考えると。

表層に近い部分の組織損傷や痛みには効果があるでしょう。
また表面に刺激が加わって弛めば、中に掛かる圧力も減りますので、結果筋肉が動きやすくなり、血流が改善してラクを得られたりすることが考えられます。

この辺は、筋膜による身体への影響と考え方が似ていますね。
(「ん?」と思った方は、ご連絡ください(笑))

使われる時は、「表面(表層)に刺激が伝わる・効果が見られるんだな」と考えて、今のお身体に合ってるかどうか?を考えてみてもいいでしょう。
「私はどっち?」という時は、当院へいらした時にでも聞いてください(笑)。

低周波はあくまで「表層」に

ただ、先ほど示したように直接筋肉に刺激を与えているわけではないので、そこまで大きな変化や改善はあまり見込めません。

だってちょっと血流がよくなっただけで改善するのであれば、お風呂入ったりお酒飲んだりした方が血流いいですけど、それで痛みが取れた!ってなりませんでしょ?
(一時的にはなりますけどね)

ですので「楽になる」というレベルで考えたら、効果はアリと考えられますが、「それで治る」か?と考えると、個人的にはちょっと疑問符が付きます

より効果を望むのであれば、温めながら低周波を掛けるといいと言われていますね。
(なので当院で掛ける時は、温めながら掛けています)

またあくまで皮膚表層にしか流れないので、表層への刺激を狙った時は低周波を使っています。
(もちろん医療用の低周波なので、家庭用とはちょっと違いますけど)

直接筋肉など深部にアプローチしたい時は、高周波や超音波治療器を用います。

注意点

電気という特性のため、気を付けなきゃいけないことがあります。
(説明書きにもあると思いますが)

注意点
皮膚に傷がある ・急性や炎症の強い時 ・ペースメーカー等電気・金属などが入っている
腫瘍等の疾患がある ・妊婦さん ・意思表示できない人 など

そしてやりがちなのが、早く治そうと思って出力を上げること
出力は決して上げ過ぎないでください

当院では「どのくらいがいいですか?」と聞かれたら、「○○さんが一番心地いいと感じるところでOKです」とお伝えしています。
強くするくらいなら、弱いくらいで十分です。
(電気で治しているわけではなく、細胞の修復や改善能力を促しているだけなので、刺激が弱くても入っていればOK)

まとめ

よく聞かれる、この手の質問。

家で治療出来たら、楽ですし早く治るんじゃないかな?と思いますよね。

しかしその怪我や痛みの状態状況によって、効果が見込めなかったりすることもあるわけです。

「低周波治療器掛けてたんですけど…」というのも、たまに聞くのですが、その上でご来院されるってことは、その痛みにはあまり効果がなかったということです。

結果その間「放っておいた」のと同じようなことになってますので、改善にちょっと時間が掛かるようになっているかもしれません。

痛みや怪我があれば、まずは受診されることをお勧めします

その上で、家庭での低周波治療器が適しているのかどうか?を考えるといいでしょう。
そんな時は、治療に掛かった先生に聞いてみてくださいね。

ちょっと今日は長くなりましたね…。
ただ、正しい使い方をしないと、効果がないというだけではなく、結果改善を遅らせる可能性もあるかもしれませんので、どういうものか?を知っておいていただければと思います。

それではまた!

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